ベトナムは労働力が豊富で、若い人口が多い。統計によれば、2008年の労働人口は4,670万人で、その内、4,416万人が労働年齢(男
性:15~60歳、女:15~55歳)である。毎年、120~130万人がこの人口に加わる。一般的に言えば、雇用求職者は求人者数より多い。2008年 の労働人口の失業率は都市で4.91%、地方で5.79%である。他方、毎年、140~150万人の職業が、社会経済発展計画、職業創出国家予算、労働者
海外派遣計画により創出されている。2008年には153万人の職業が創出され、労働力海外派遣計画では約8万3,000人が海外に送り出された。現在、
50万人が、40カ国以上、30の事業分野で働いている。これら海外労働者からの本国への年間送金額は16~20億米ドル※1に達 している。この内、韓国からの送金額は7億米ドル、日本からは3億米ドルである。海外への労働者派遣は、国内の雇用創出問題の解決策の一つである。日本、
韓国、台湾など、伝統的なベトナム人労働者の市場では、比率が徐々に増加している。特に韓国では2008年に1万2,000人の追加派遣と併せ、
6,000人に対し労働契約の更新が行われた。日本では、両国の企業を通じた協力計画に加え、日本への派遣に関しては、ベトナムが非営利プログラムを作
り、日本で働くベトナム人労働者には出発前の費用を一切払わないで良いことになった。2008年、職業研修計画に基づき日本で働くベトナム人労働者数は
6,000人である。しかし、これら地域における外国からの労働者との競争は厳しくなっており、ベトナム人労働者は外国人労働者と比べ、次第に不利になり
つつある。派遣先国の言葉、職業上の技能、文化理解度が低い等の問題が、ベトナム人労働者の大きな欠点となっている。現在、ベトナム政府は被雇用者の渡航
前の訓練計画を4つの焦点に絞り策定中である。それは、1)
職業技能、2)
外国語、3)
派遣先国の習慣・文化、4)
その国の法律と規則の4つである。
本リポートは、海外への労働派遣に関するベトナムの法律、労働派遣組織、海外への労働派遣の実態、派遣された職業技能の評価に関し、最近の様子を述べるものである。
http://www.ovta.or.jp/info/asia/vietnam/laborsend.html |