多数の職業訓練施設も技術労働者は不足
Binh Duong省Dong An工業団地のNor-Cal Vietnam社Le Phuoc Vinh社長は「2008年にバルブやトランジスタ生産工場の稼動を始めた。工場には近代的な設備が備わっているが、これらを操作できる技術労働者がいない」と話す。
同様に自動車や携帯電話などに使用する部品を生産するMemsonics社でも、活動を開始したが人材が不足している。Luong Hoang
Nguyen会長は、ベトナム投資の際に企業が直面する最大の懸念事項は人材だと指摘する。多くの注文があるが、労働者不足で生産が間に合わないという。
Vung
Tau市の海運機器サービス社は国内外の石油プロジェクト実現にあたり、溶接工500人、パイプ組立等を担う労働者1,000人を必要としていた。だが人
事部責任者Tran Cong
Chieu氏によると、前者の日給が20万ドン(約12ドル)程度、後者の月給が300万~500万ドン(約176~294ドル)であるにもかかわらず応
募者は集まらず、自社で育成しなければならない。高技術溶接工の育成には、1人当たり1週間で800万ドン(約471ドル)が必要だという。
Intel
Vietnam社は各所からの人材確保に動いたが、ニーズに応えられる技術系労働者は多くなく、他の手段を模索している。3カ月前には、学生28人を技術
奨学金プログラムに沿って米国留学させた。2年間の留学でIntelは200万ドルを支出するが、彼らが今後管理職となり、技術労働者を養成していくこと
を期待している。
Binh Duong省工業団地管理委員長のTran Van Lieu氏によると、同省のみで20万人余りが各工業団地で勤務しており、これらは主に企業が自主訓練した者だ。企業の人材確保にあたって、自社育成が非常に重要になっている。
ベトナムでは毎年100万~150万人が職業訓練されており、訓練済み労働者の割合は26%。これまでに国内には367の短大および中級職業学
校、864の職業訓練センター、1,000余りのその他職業訓練施設がある。しかし問題はこういった訓練がニーズに応えられているかということで、職業訓
練施設は数あれど、企業が人材不足を訴える事態になっている。