「溶接」とは
「溶接」は、材と材(主として金属材料)をつないで‘もの(製品または構造物)’を作り込む大切な接合技術の一つです。接合
技術にはこの他、ファスナーやボルト・ナットのような「機械的継手」やいわゆる‘のりづけ’といった「接着」などがありますが、適用範囲の広さ、接合部の
安全性・信頼性、内容物に対する気密性(洩れないこと)および経済性(コスト)等々いずれをとっても「溶接」に優位性があります。
「溶
接」が何時頃から人類に役立つ技術として用いられてきたかに関しては、数千年前の古代文明発祥の時代に遡り、宝飾製品や宝剣の類にハンダやろう付け溶接、
鍛接(加圧溶接の一種)などが使われていたことが分かっております。 わが国における日本刀の作刀技術も典型的な鍛接の応用であり、その作品は工芸美術品
として世界に誇れる文化遺産の一つになっています。
しかし、近代工業発展への寄与という観点で言えば、19世紀末から20世紀半ばにかけ
その実用化が確立された各種アーク溶接と抵抗溶接が基本的なものと言えます。今日、主要産業において普遍的に活用されているのはこれらの溶接法ですが、そ
の他にも様々な熱源の適用により新溶接技術が幅広い分野に浸透しており、「溶接」は今後ともその発展が期待される要素技術であります。