さけは生まれ育った川へ帰る性質を持っており,本来は天然産卵によって繁殖のサイクルが維持されていくべきものと思われます。
しかし,産業の発展に伴って水利用に対する需要が増加し,ダムや堰堤が作られたり,治水を目的とした河川改修が行われたり,昔に比べて川の環境が変化したため,さけを守り育てていくためには,繁殖を人間が手助けする「人工ふ化放流」が必要となっています。
宮城県でも毎年,親魚から採卵して育てられた稚魚約5千万尾が河川や海に放流されています。
(1)捕獲
各サケ増殖河川において,網や,捕獲期によって捕まえます。10~11月
(2)受精
雌の卵に雄の精子をかけて受精させます。
(3)ふ化槽
ふ化槽へ収容し,発眼するまで卵を管理します。
(4)ふ化
受精した卵は摂氏8度の水温で飼育すると約30日で卵の中の目が見えるようになり,その後30日位でふ化します。
(5)飼育
ふ化後約50日で稚魚は浮上して餌を食べるようになります。ふ化場では約1ヶ月間給餌します。
(6)放流
大きく育った稚魚は3~4月頃川や海に放流します。